虫歯治療について

可能な限り歯を残し、機能を維持する治療を行います
当クリニックでは、はじめに患者様の口腔内の状態を綿密に確認し、1本の歯を治すのではなく、口腔内一単位(口腔内全体をひとつとして考えること)とした全体治療を進めています。
また、患者様との対話を大切にし、十分な説明とカウンセリングを通じて、ご納得いただいた上で無理のない最良の治療計画をご提案します。
痛みに配慮した取り組み
2段階麻酔を採用し、できる限り「痛みの少ない治療」を心掛けています。
2段階麻酔では麻酔前に表面麻酔で神経を麻痺させ、麻酔針が最初に刺さる痛みそのものを軽減します。
他にも、細い針の麻酔器も使い、患者様にかかる不安や痛みを減らすことを心掛けています。
「今から麻酔します」「少しチクッとしますよ」とお声掛けさせていただくことも、治療中の取り組みのひとつです。
虫歯の治療
虫歯の原因
口腔内には多くの種類の細菌が常在しています。
その中のミュータンス菌などの「虫歯病原菌」と呼ばれる細菌は、摂取した飲食物に含まれる糖分を栄養として繁殖し、細菌の塊を形成します。
この塊が歯の表面に付着する歯垢(プラーク)です。
歯垢は酸を産出して歯の表面のエナメル質を溶かす原因です。
虫歯のなりやすさは糖分の摂取量よりも、口腔内で糖分が留まる時間の長さで決まります。
そのため、口腔状態が悪い場合は、虫歯や歯周病が進行しやすくなります。

虫歯の症状
初期の虫歯ではエナメル質の一部が不透明な白色に見える「ホワイトスポット」が現れますが、痛みは感じません。
虫歯が進行すると歯の表面がやわらかくなって穴が開き、褐色~黒色に変色します。
さらに虫歯が深くなると冷たい物がしみたり、痛みの症状が現れはじめ、最終的には何も食べないときでもズキズキとした痛みを感じるようになります。
歯の神経が壊死すると痛みは軽くなりますが、根管を通じて顎の骨に炎症を起こすことがあります。
検査・診断
虫歯は肉眼で判断する視診の他、器具で触れて判断する方法や、レントゲン検査などがあります。
虫歯の進行
虫歯は、虫歯病原菌に侵された部分を除去したり、溶けた部分をつめものやかぶせものをして治療します。
虫歯の進行状況(CO・C1・C2・C3・C4)により、治療法が異なります。
CO 初期虫歯
歯の表面のエナメル質が脱灰して白くなっている状態です。
まだ歯に穴は開いておらず、虫歯になりかけている段階なので、痛みなどの症状はありません。
【治療方法】
間食の時間を決める、フッ化物(フッ素)を使用するなどの方法で再石灰化を促し、経過観察します。

C1 エナメル質内の虫歯
歯の表面(エナメル質)のみでとどまっている初期の虫歯です。
しっかりした予防で進行を防ぐことができる段階です。
【治療方法】
治療する場合は、虫歯の部分だけを最小限に削って合成樹脂(レジン)を充填します。

C2 象牙質に達した虫歯
エナメル質の下の象牙質まで虫歯が進行した状態です。
神経(歯髄)に近づくにつれて冷たい物がしみ、痛みの自覚症状が現れます。
削って治療しないと深く進行するので、早期発見・早期治療が望まれます。
【治療方法】
C1と同様に合成樹脂(レジン)を充填するか、範囲が大きい場合は削ったあとに歯型を取り、金属やセラミックのつめもの(インレー)を作り、欠損部を修復します。

C3 神経(歯髄)に達した虫歯
歯の神経(歯髄)まで進行した状態です。
炎症(歯髄炎)が起き、激しい痛みを伴うことがあります。
【治療方法】
歯髄の炎症が重度の場合は、歯髄組織を除去したあとで根管内を消毒(俗にいう「歯の神経を抜く」)し、シーリング材を用いて充填します。
また、歯髄が死んでしまった歯はもろくなるため、かぶせものなどをかぶせます。
症例によっては、特殊な抗生物質を用いて歯髄を保存する処置を行う場合もあります。

C4 歯質が失われた虫歯
末期の虫歯の状態です。
歯はほとんど歯根だけになってしまいます。
歯髄は死んでしまっているので痛みは軽減しますが、歯根の先に膿がたまりはじめます。
このまま放置し続けてしまうと顎の骨の中に細菌が入り込み、治療が困難になることがあります。
【治療方法】
抜歯が必要になります。
抜歯した部分は傷が治った後に、ブリッジ・部分義歯・インプラントなどの方法で補います。

虫歯リスクチェック
虫歯のなりやすさは、虫歯を起こす力と虫歯を防ぐ力のどちらが優位かを調べることでわかります。
これを「リスク評価」といい、ご自身の虫歯リスクがどの程度であるかを知ることは、適切な口腔ケアを確立する上でとても重要です。
No. | 項目 | 判定 |
---|---|---|
01 | 甘い物が好き | |
02 | 歯磨きは毎食後はしない | |
03 | 1回の歯磨きにかける時間は3分以内 | |
04 | 治療した虫歯の数が4本以上ある | |
05 | お湯が歯にしみる | |
06 | 水が歯にしみる | |
07 | 食べ物を噛むと歯が痛む | |
08 | 歯に食べ物がよくつまる | |
09 | 親は虫歯が多かった | |
10 | 歯ブラシ以外の清掃用具(歯間ブラシ、デンタルフロス、糸ようじなど)は使わない | |
11 | 歯科医院には歯の痛みが我慢できなくなってから行く |
チェックによる判定
10個以上
痛みなどの自覚症状は出ているはずです。すぐに歯科医院に行きましょう。
7から9個
虫歯の可能性が大きいです。痛みがない場合であっても虫歯は進行していますので、早めに歯科医院で検査しましょう。
4から6個
虫歯ができている可能性があります。一度歯科医院で確認することをお勧めします。
1から3個
虫歯の注意が必要です。歯科医院でご自身に合った予防法を相談しましょう。
0個
現段階では虫歯の心配はありません。定期検診を受けて歯の健康を保ちましょう。
※あくまでも目安ですので、定期的な検診は欠かせません。
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名古屋市千種区の歯科医院「名古屋桜通デンタルクリニック」にご相談ください。